BricsCAD コマンドの開発言語

BricsCADはカスタマイズするためにいくつかのAPI(アプリケーション プログラミング インタフェーズ)を公開しています。
これらのAPIはAutoCADが公開しているAPIに準じていますので、AutoCADでの開発経験がある方はなじみやすいでしょう。
デベロッパーリファレンスではいくつか上がっていますが、主なのもは以下の4つです。
 どのAPIを使うかは、それぞれの長所・短所で吟味してください。

Lisp(List Processing)

リスト処理プログラミング言語[LISP]によるAPI (AutoCADのAutoLISP、VisualLISPに相当)です。図形データをリストに適用したもので、インタプリタ言語として動作します。
APIとしては一番古くからあり、拡張性は低いが高度なプログラム経験や知識を必要としません。そのため、ユーザー側でも簡単に、自作のLispプログラムを作成される方が多いです。
Lispコマンドの目的は、主にCAD内の図形操作など、作図機能を向上させるために利用されます。
(※対象グレード:Lite(旧Classic)含む全てのグレード)
長所 AutoCADとの互換性は今後も向上していく。UNICODEを意識する必要がない。BricsCADのバージョンアップに伴うリビルド等も不要。
短所 生コマンドや図形選択をうまく組み合わせて使いやすくすることが基本なので高度な処理をさせようとすると機能が限られている。

SDS(Solution Development Systemg)

C/C++言語によるAPI(AutoCADのADSに相当するもの)です。LISPで記述されている関数と同様の表現を使ってプログラムが記述できます。
VisualC++8.0(SP1) を使って実行モジュールを作成し、リンクすべきライブラリはインストール時にインストールフォルダに提供されています。    
通常のC/C++言語としての機能が使えるので、プログラムとしての拡張性は高いが、CADとの接点部分については、Lispで提供されている関数をすべてサポートしていないため、Lispより機能が少ないです。LispまたはBRXベースのコマンドが一般的なため、互換のために残しているだけで推奨はしていません。
Lispプログラムからロードしたり、呼び出したりすることができる外部関数群として位置づけられています。
(※対象グレード:Lite(旧Classic)含む全てのグレード)
長所 C言語ユーザー向き
短所 古いADSのソースを移植する際、UNICODEを意識する必要がある。
BricsCADがバージョンアップする際、リビルドしなければロードできなくなる場合がある。

BRX(Bricscad Runtime eXtension)

C++言語によるAPI (AutoCADのObjectARXに相当)です。
CAD自身を構成するクラスライブラリの一部が提供されており、CAD内部からカスタマイズが可能です。デベロッパー登録をしてライブラリを入手します。
(※対象グレ―ド:Lite(旧Classic)以外のグレード)
長所 AutoCAD同様、リアクタ等を駆使した、かなり高度なコマンドを実装可能。
短所 C++の知識が必要で、UNICODE を意識する必要がある。
 BricsCADがバージョンアップする際、リビルドしなければロードできなくなる場合がある。

.NET API

Microsoft.Net Frameworkの開発環境で、BRX(AutoCADのObjectARX相当)の機能をVB.Net、C#.Netなどの.Net対応言語で実現可能です。 
(※対象グレ―ド:Lite(旧Classic)以外のグレード)
長所 VB.Net、C#.Netなど、開発言語を選択できる。BRXと同様の高度な機能を実現可能。
AutoCADの.Net APIと互換性があり、ソースの一本化が容易。バージョンアップ時、リビルドの必要がない。
短所 新しい技術なので、ドキュメント・経験者が少ない。

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